死んでる暇の無い人 ~それやったら手術まで、私も仕事を全部休むわ~

ディズニーランドのパレードの様子

一ヶ月ほど前、彼に病気が発覚。「ステージⅢ後期の大腸癌」という診断で楽観できない状況。そのことを妻に話すと彼女は、自分も仕事を休むから思い出作りをしようと言い出しました。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐< 以下、本文です。>‐‐‐‐‐‐‐‐‐

2ちゃんねるに、『普段は言えない妻への「愛してる」の言葉を、勇気を出して言ってみよう』という趣旨のスレッドがあります。下記のお話はそのスレッドへの書き込みですのでそのつもりでお読みください。

俺の病気が発覚したのが丁度1ヶ月前。

ステージⅢ後期の大腸癌っていう診断だった。

リンパも腫れていて転移も十分考えられる。結構ヤバイ状況だと。

嫁に「すまんっ!もしかしたら手術間に合わんかも知れない」と言ったら、俺の嫁、凄い奴。

「○○(娘)と、今まで忙しかったから、あんたはあまり遊んでないやろ? それやったら手術まで、私も仕事を全部休むわ。思い出作りじゃー!(笑)」って。

それこそ色んな所へ行った。遊んだ。

俺の体調が悪い時には、「休んでたらいいよ」って、ずっとハンドルを握ってくれた。

ディズニーランドへも行った。

慣れないカメラを握り締めて、汗だくになって、必死に俺と娘のドナルドのスリーショットを撮ってくれた。

2週間丸々、嫁ともうすぐ2歳になる娘と共に家族で目一杯過ごした。本当に楽しい毎日だった。

8月になって、手術の為に入院生活に入った。

そして昨日、2週間あまりの入院を終えて退院した。

大腸や周辺リンパをけっこうゴッソリ取ったにしては医者もびっくりの回復で、当面は大丈夫そう。

病院に迎えに来てくれた嫁に、今しかないと、準備してたセリフをきり出そうとした矢先に嫁が、

「私もちょっと病院行きたいねん」

と言った。

出鼻を挫かれた俺は、そのままヨタヨタ歩いて嫁の運転する車に乗り込んだ。

車が着いた先は産婦人科の駐車場。

「死んでる暇無いで」って、

助手席の俺を横目で見ながら悪戯っぽく笑った。

あっけに取られて、昨日は結局言いそびれてしまいましたわ。

今晩、もう一回チャレンジします。

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