短い人情話3編:本当の高級店/100円分の優しさ/ドアの裏の落書き

火が灯った三つのキャンドル

このページには、短いけれど心温まる人情エピソードを3編ご紹介しています。一編は高級和食店での出来事。もう一編はゲームセンターでの出来事。最後の一編は病院での出来事です。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐< 以下、本文です。>‐‐‐‐‐‐‐‐‐

本当の高級店

先日、定食屋だと思って入ったら、一番安い料理でも3千円はする高級和食店だった。

悩んだ挙句、顔を真っ赤にしながら正直に

「予算が足りないので失礼します」と伝えたら、

店主は状況を察して「ご予算はいかほどでしょう?」と言い返してきた。

顔から火が出そうになりながら「千円では無理ですよね?」と言ったら、

笑顔で「天丼はいかがでしょう?」と勧めてくれて、

余った高級食材らしきものを集めてかき揚げ丼を作ってもらった。

感動して泣きそうになった。

本当の高級店とはこういう店をいうんだなとしみじみ感じた。

100円分の優しさ

今日ゲーセンで人のプレイを見物してたらカプエスに小学生らしき子が乱入してた。

波動拳も知らないようで、ひたすらガチャプレイ。

ガードもままならないまま次々と敗退していく。

あっさりと負けて台を去ろうとしていた子供に、対戦相手の友達(高校生)が

「もう1回できるよ。がんばれ。」って声をかけた。

そう、そのカプエス台は100円2プレイだった。

再戦したが、やはり腕の差は圧倒的だった。

だけど、相手も攻撃をさりげなく食らったり、一人倒させてあげたりしていた。

終わった後、また工房が子供に話し掛けた。

「ごめんな、これで他のゲームでもやりな。」と100円を渡した。

荒れた高校生、無気力な若者なんてよく言われてるけど、

「そんなこと無い」と思った1日だった。

ドアの裏の落書き

大きな病院に通院していました。

ある日、男子トイレの洋式の方に入り座ると、ドア裏に小さな落書きがあったのです。

『入院して二ヶ月 直らない もうだめだ』

 そして二週間後…

その落書きの事はすっかり忘れていたのですが、またそのトイレに入りました。

…ドア裏は落書きでいっぱいいっぱいになっていました。

『頑張れ』

『ガンガレ』

『必ず良くなるぜい!』等々。

しかもその後、トイレはペンキ塗り直しされて、他のドアは新しい色になったのですが、

なぜか、そのドアだけは塗り直されずに落書きがそのままでした。

それを見て温かい気持ちになりました。

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