子供の日の出来事 ~「ロクな大人の ロク って何さ?」~

こいのぼりの人形

子供の日に親戚一同が顔を揃えました。その席で、いつものように「二人目の子供を」という要求(説教)が始まりました。困った顔をして話を聞くご夫婦の脇から小5の息子が口を挟みます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐< 以下、本文です。>‐‐‐‐‐‐‐‐‐

この前の、子供の日。

夫の親・兄弟・親戚、一同が集まった席でいつものように始まった大合唱。

「一人っ子はかわいそう」

「ロクな大人にならん」

「今からでも第二子は遅くない」

「今なら高度医療でなんとかなるやろ?」

困った顔をして薄笑いを浮かべて

テキトーに生返事をしてやり過ごすしか私達夫婦には方法がなくてね。

うっかり事情が知れたら、もっと傷つけられる。

ああ、仕方が無い人達だ、我慢しよう、嵐が過ぎるまで・・・そう思って。

今年小5の息子が、その時鋭い口調で言い出した。

「ロクな大人の ロク って何さ?」

「嫌そうに聞いてある人間に嫌な言葉を言い続けるのが ロク なんか?」

「ここにいるみんな、おれ以外はみんなキョウダイがいるロクな大人やろうもん」

「ロクな大人の ロク がこういうことなら、おれはロクな大人にならんでよか!」

「ああ、よかったったい。おれはロクな大人になれん一人っ子で」

「ちぃーともかわいそうなこと、なかやっか。一人っ子ばんざい!」

一同が静まり返ってきまり悪そうに視線をアチコチに泳がせ始めた時

「母さん、おれを産んでくれてありがとう。

 一人だけでも俺を産んでくれてありがとうな。」

照れくさそうに言って、ちまきを2~3個引っ掴んで、

「△△のうちに遊びに行ってくるったい。いってきまーす!」

飛び出していったよ。

「今日と明日は、おれが家事やるけん。母さんはゆっくりしときー。

 母の日やけん。お金かからんいい孝行やろもん。おれってあったまいー。」

今、息子は昼ごはんにとホットケーキを焼いているようです。

でもね、母の日のプレゼントは先週にもう貰ったと、私は思っているんだ。

えへへ、親馬鹿だけど、いい息子に育ってくれてうれしくて。

誰かに聞いてもらいたかったんだ。

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