母の炊き込みご飯 ~「炊き込みご飯作ったよ。沢山食べなさい」~

お箸を添えられた炊き込みご飯

小学校の頃に大好きだったお母さんの炊き込みご飯。誕生日や記念日には必ず出てきていた炊き込みご飯。大人になって、実家に帰ると待っている炊き込みご飯。お母さんの味でした。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐< 以下、本文です。>‐‐‐‐‐‐‐‐‐

俺は小学生の頃に母の作った炊き込みご飯が大好物だった。

特にそれを口に出して言った事は無かったけど母は判っていて

誕生日や何かの記念日には我が家の夕食は必ず炊き込みご飯だった。

高校生位になるとさすがに「又かよっ!」と思う様になっていたのだが

家を離れるようになっても、たまに実家に帰ると待っていたのは母の

「炊き込みご飯作ったよ。沢山食べなさい」の言葉だった・・・

会社に電話が来て慌てて向かった病室には既に近くの親戚が集まっていた。

モルヒネを打たれ意識の無い母の手を握り締めると母の口が動いた。

何かを俺に言いたそうだった。母の口元に耳を近づけると

「炊きこ・・・たよ。たくさ・・・・さい」と消え入りそうな声で言っていた。

それが最後の言葉だった。

「ママの作ったスパゲッティー大好き!」

口の周りを赤くしてスパゲッティーを食べる娘と

それを幸せそうな目で見つめる妻を見る度に母の炊き込みご飯が食べたくなる。

お爺ちゃんを庇う犬 ~いい人じゃなくて、いい犬の話~
愛犬とお爺さんが山道を散歩していました。疲れたので途中のベンチに座って一休みしているとある事件が起きました。その時、愛犬...
上田勝恵一等海佐の粋な対応 ~対応した「かしま」艦長はこう答えた~
2000年7月4日。20世紀最後のアメリカ独立記念日を祝う式典に参加した自衛艦「かしま」に、英国の豪華客船「クイーンエリ...
赤と水色のおもちゃの指輪 ~もう私頑張れないかも。もう、駄目~
中々子供に恵まれないその夫婦は、三度目の流産を告げられた後、病院の待合室で悲しみに暮れていました。その時です、「もう死に...
親父の飯 ~焦げた卵焼きを親父に投げつけたりなんて事もあった~
彼が小学校一年の時、お母さんは浮気相手と家出。以来、料理はお父さんの役目となりましたが彼はそれが嫌でたまりません。理由は...
月まで届くホームラン ~少年はその選手へファンレターをつづり~
アメリカのとある地方に野球が大好だけれども目が見えない少年がいました。手術を前に少年は一人の大リーグ選手へ気持ちを伝えま...